労働・社会保険は会社の義務
  
〜公的保険の加入は法律で強制されています〜

 

 「うちは労災保険は入ってないもんね。」というような話をよく聞きます。はたしてそうで しょうか?

 事業主が労働者を雇用する場合、事業主はただ給料を渡せばそれでいいのではなく、労働者を 不安なく、安全に働かせる義務があります。そのために労働基準法や労働安全衛生法に代表される 様々な法律が整備されています。
 その中で、労災保険・雇用保険・社会保険は、業務上外での傷病に対する補償、労働の機会を逸した労働者の 生活補償、または老後の生活補償等を確実に実施していくために国によって運営されています。
 そして、これらの保険への加入は、従業員を雇用するすべての会社に義務付けられており(一部例外あり)、そこで働く従業員も原則として強制的に加入することになっています。ですから、 正確にいえば、加入していないのではなく、「加入しているけれども手続をしておらず、 保険料も滞納している」状態であり、労働保険については、
もし未加入がバレたら、過去2年分の保険料とその10%の追徴金を納めなければなりません。 当然、今後の保険料も発生しますので、負担が大変です。
 また、労災保険については、
加入手続をしていない間に労災が起こった場合、その被災者に支払われた保険給付額の40%を最高3年間も支払わなければなりません。
 労働保険料が高いなどという話もよく耳にしますが、労災や雇用保険の保険料は、実際は そんなに高くありません(健康保険・厚生年金はけっこうな額になりますが..)し、 もしまだ加入手続きをしていない方は、すぐに加入されることをオススメします。

 
各保険の概要  

  労働者災害補償保険

 労災保険は、労働者が仕事上の事由(または通勤途中)により受けた傷病やそれによる障害、 死亡等に対し、補償を行うことにより労働者やその家族を保護することを目的としています。
 事業主は、従業員を一人でも雇った場合には労災への加入手続をしなければなりません。 たとえその一人がパートやアルバイトでも同様です。
未加入中や保険料滞納中に労災が起きた 場合は、一定のペナルティーが科せられます。年間の保険料は、その年度に従業員に支払った 給料のわずか0.5%(業種によって異なる場合あり)となっています。(民間の保険だけに 加入している方、保険料を比べてみてください。)

  雇用保険

 雇用保険は、労働者が失業した場合や雇用の継続が困難となる事由が生じた場合(60歳 定年を過ぎての再雇用や育児・介護休業の取得)に、必要な給付を行うことにより、労働者 の生活や雇用の安定を図ることを目的としています。
 事業主は、従業員を一人でも雇った場合には、加入手続をしなければなりません。ただし、 残業を除いた1週間の労働時間が20時間未満の従業員は加入することはできません。
 退職した従業員が失業保険をもらおうとハローワークに行ったところ、実は未加入だった、 ということがよくあります。この場合、最高2年間遡って保険料を徴収されます。 年間の保険料は、その年度に従業員に支払った給料の1.75%(建設業は2.05%)(その内0.7% (同0.8%)が従業員が負担で、残りが事業主負担となります。

  社会保険(健康保険・厚生年金保険)

 健康保険は、被保険者およびその家族の業務外の事由による傷病や出産、死亡等について必要な 保険給付を行い、それらの人々の生活の安定を図ることを目的としています。また、厚生年金保険 は、被保険者が65歳以上の老齢になったとき、障害で働けなくなったとき、または死亡したときに、 それらの人々の生活補償を行うためのものであり、これらの健康保険と厚生年金保険は2つセット で加入することになります。
 社会保険の加入基準は、労働保険(労災・雇用保険のこと)とやや取り扱いが異なります。
 まず、会社が法人の場合は強制加入となりますので、加入手続きをしなければなりません。また、 個人企業の場合であっても、従業員が常時5人以上いる場合は、強制加入です。(一部5人以上でも 強制されない業種があります。)
 保険料(月額)は、各従業員ごとに健康保険が、標準報酬月額の 8.2%(40〜64歳までは9.31%)、厚生年金保険が、標準報酬月額の13.58%となっており、これを 事業主と従業員で折半します。従業員負担分は、毎月の給料から控除することになります。

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