| ◇労災保険の二次健康診断等給付とは?
顧問先の経営者から、労災保険の二次健康診断等給付について次のような質問がありました。「数年前から労災保険二次健康診断等給付制度ができていて、場合によっては無料で健診を受けることができると聞きましたが、どのようなものか教えていただけないか」ということでした。当事務所では次のように要約して指導しました。
二次健康診断等給付とは、過労死を予防するための健康診断のことで、一次健康診断において過労死につながる可能性のある所見があった従業員に対し、労災保険から無料で行われる健康診断のことです。
労災保険の二次健康診断等給付制度がスタートした背景には、近年の定期健康診断による有所見率の増加があります。業務によるストレスや過重な負荷により、脳血管疾患および心臓疾患等を発症し、死亡または障害状態に至ったとして、過労死の労災認定件数も増加傾向にあります。過労死とは、長時間残業・頻繁な深夜労働・休日の不取得等による過労・ストレスが原因となって、脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)、心臓疾患(心筋梗塞、狭心症など)あるいは精神疾患を発症し死亡することをいいます。
二次健康診断等給付の対象となる人は、一次健康診断において血圧・肥満度・血糖値・血中脂質のすべてが検査判断基準を上回り、異常の所見があると診断された人です。ただし、労災保険制度に特別加入している人、およびすでに脳血管疾患または心臓疾患の症状を有している人は対象外となります。
二次健康診断は、二次健康診断等給付請求書を健診給付病院等を経由して、所轄都道府県労働局長に提出して受けます。この際、一次健康診断の結果のコピーを添える必要があります(なお二次健康診断は、1保険年度において1回しか受けることができません)。二次健康診断の受診結果を従業員は会社に提出し、会社は受理日から2カ月以内に従業員の健康保持に必要な措置を医師に聞き、それを健康診断個人票に記入しなければなりません。会社は医師の意見にもとづき、過労死を防止するため当該従業員の業務の変更、就業場所の変更、勤務時間の短縮、深夜業務の回数削減等の措置をとらなければならないとされています。
従業員は、1人1人が重要な会社の人的資源であり、そのモチベーションを高め、満足を達成していくことが会社の発展に欠かせないポイントであることを認識したいものです。
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